企業三段階成長論|アパグループ 元谷外志雄代表 インタビュー

【特別インタビュー】アパグループ 元谷外志雄代表に長期成長戦略を聞く

現在圧倒的な利用者の多さを誇るアパグループの「新都市型ホテル」。人気の秘密は、高級感、高い利便性、そして、使い勝手の良さが共存した設備とサービスの内容にある。ホテルの分布は都心部をはじめとして全国各地に広がり、日本のホテル業界では類を見ない成功をおさめている。そこには、元谷氏の実業家としてのゆるぎない信念と、綿密な計画にもとづく独自の戦略が存在し、創業から現在までの43年間、赤字0、リストラ0という企業としての強い財務体質は各業界からも注目が集まっている。経営手腕をふるうアパグループ代表・元谷外志雄氏からお話を伺った。

アパグループ 元谷外志雄代表
元谷 外志雄(もとや としお) アパグループ代表

石川県小松市に生まれる。県立小松高校を卒業し慶応大学経済学部通信課程に入学すると共に、小松信用金庫(現・北陸信用金庫)に入社。9年後に退社し、注文住宅会社「信金開発株式会社」(のちアパ株式会社)を創業。現在、マンション・ホテル・リゾート・レストラン事業など16の企業から成るアパグループの代表。自ら編集長を務める月刊誌『アップルタウン』(毎月6万5千部発行)に、藤誠志のペンネームを用いて社会時評エッセイを執筆している。これからの日本を担い、指導的立場に立つべき人材に対して、より良き国家社会づくりに貢献できる人材育成の場を提供するため、2011年6月「勝兵塾」を開設。

企業三段階成長論

事業を拡大していく中で、バブル崩壊やリーマンショックなど、大きな経済変動を乗り越え、むしろそれらすべてをチャンスに変えて成功してきた。その秘訣は「先見力」だと、元谷氏は語る。今のアパグループの高収益モデルも、創業時から全体像を思い描いていたというから驚きだ。そして、そのための長期成長戦略が「企業三段階成長論」である。

第一段階:信用累積型経営

元谷:はじめの10年間は、なによりも信用を築くことが重要です。需要を創造し雇用を創出、適正利益をあげて納税義務を果たす。このことを同時に行なうのが事業です。いわゆる「土地ころがし」のように、買った土地が値上りして売って儲かっても、雇用も需要も、そして信用も生まれません。私は土地を買ったら、建物を建てて売ったり貸したりします。これがすなわち”実業”なのです。

事業家であった父の影響もあって、私は高校卒業後、慶大経済通信課程に入学するとともに信用金庫に入り、事業家になるべく金融の勉強をしました。そして、当時急速に成長していた”住宅産業”に着目しました。会社が成長し発展していくためにはその礎をしっかりと築かなければならない。そう考え、信用金庫で全国初の長期住宅ローン制度を作りました。「頭金10万円で家が建つ」という宣伝文句で、家を持ちたい人がローンを利用して気軽に買える。そういう基礎を作ってから、独立に踏み出したのです。

起業当初は、注文住宅から始めました。「契約→施工協力会社が工事(手形で支払)→完成→お金の回収→手形の決済」という収支モデルにすれば、資金がなくても事業を始められるからです。次はそこで得た信用を基に資金調達し、建売住宅事業へと進出しました。そして「注文住宅→建売住宅→マンション→ホテル」へと進化を続け、今の総合都市開発事業へと発展して来たのです。