竹中平蔵氏が語る日本の創業チャンス

イノベーションを持ち込めるのは起業家だけ

ー起業が社会に与える影響についてはどう思われますか?

竹中:資本主義の発展の原動力はイノベーションで、そのイノベーションを持ち込めるのは起業家だけです。私たちがより良い暮らしをしたい、より良い人生を生きていきたいと思った時、それを助けるのは起業家ですよ。政府の役割は、起業家ができるだけ活動しやすいような環境を作るだけで、決して価値を生み出すことはできません。GDPは民間の企業の付加価値の合計ですから、価値を生み出すのは民間です。だから規制緩和が必要なんですよ。頑張っている人の負担をできるだけ軽くして、もっと頑張れというのが法人税減税なんです。

ー法人税の減税は竹中さんが以前から声高に言っていることですよね。

竹中:日本は高すぎますよ。35.5%が実効税率、香港とシンガポールは17%ですからね。イギリスは24%ですが、キャメロン首相はそれを20%にすると今年のダボス会議で宣言していましたよ。

ーでは最後に、起業家の方たちへの応援メッセージをお願いします。

竹中:経済学者がいなくても経済は回ります。でも起業家がいなかったら経済は回らない。学者より起業家の方が絶対に偉いと思いますよ。同じように私はアーティストも素晴らしいと思っていて、彼らがいなかったらアートはない。ゼロから価値を生み出すのが起業家で、ゼロから感動を生み出すのがアーティスト、そしてあるものをああでもないこうでもないと言ってるのが学者です。先ほども言いましたが、起業家というのはイノベーション、変化を持ち込める人だと思うんですね。

シュンペーターという20世紀を代表する学者の言葉では、本来イノベーションは新結合、新しい結びつきという意味なんです。今起こっている第二の産業革命は、デジタル技術と何かを結びつけていろいろなことをイノベーションしている。第一の産業革命は動力と何かを結びつけましたが、今はデジタルな技術だと思うんですよね。そういう意味では、今度のフロンティアは起業家の時代だと思います。20年前にグーグルを知っていた人なんて誰もいないわけでしょ?それが今や世界一の企業になっているわけです。そういうことができる時代なんですよね。
イノベーションを持ち込めるのは起業家だけ

BB-WAVE掲載日:2015年04月01日