竹中平蔵氏が語る日本の創業チャンス

東京オリンピックの6年間にやるべきことをきちんとやっておく

東京オリンピックの6年間にやるべきことをきちんとやっておく

ー確かにインフラが一気に進むイメージはありますね。50年前の東京オリンピックでビジネス的に伸びた部分はあるのでしょうか。

竹中:例えばトイレの入り口にある男女のシルエットのようなサインは東京オリンピックの時にできました。言葉が通じないのでどうしようかと相談持ちかけられた工業デザイナーが考え、今では世界のグローバルスタンダードになっています。

それから、セキュリティビジネスもオリンピックで始まったものなんですよ。VIPが来るから警護のビジネスが成り立つはずだということで、オリンピックの2年前に日本警備保障ができた。これが今のSECOMです。設立当時は従業員わずか2人で立ち上げた産業が今は53万人になったという良い例です。オリンピックはそういう化学変化が起こる時なので、あの時創業してこう成長したというストーリーができるタイミングなんですよ。

ーそれはある程度発展を遂げた今の日本でも十分に可能性はある、と。

竹中:おっしゃる通り、当時は発展途上だったので新幹線や高速道路ができましたが、今はそうではないですよね。でも私たちがさらに新しい何かを求めているということは事実です。例えば、日本には約100の空港があるのにそれがきちんと活かされていない。アジアの中間所得層は5億人いますが、それが2020年には3.5倍の17.5億人になるんです。それに対してLCCを使って地方空港を活性化させるとか、そういう何かができるだろうという予感があるわけです。

ですから、次のオリンピックのタイミングでは発展途上国型ではない新しい豊かさを示すようなビジネスが生まれるでしょうね。こんなチャンスはないし、逆に言うと2020年までにやるべきことをきちんとやっておかないと、あとは相当しんどいぞということです。この6年の間に、そういう時代意識をあえて持つ必要があると思います。

ー激動の6年になると。

竹中:何が出てくるかというのは、政治家にも官僚にも学者にも分かりません。若い人のセンスだと思うんですよね。意外なことがビジネスになる。日本は今ようやくマクロ経済が正常化しつつある過程で、そこにオリンピックという世界の7割の人が動く特別なイベントがある。私は「アベノミクスにオリンピックという追い風が吹く」という言い方をしています。「アベノリンピック」ということなんですよ(笑)。