「元祖ベンチャー」に聞く成功の秘訣。株式会社エイチ・アイ・エス 澤田秀雄氏インタビュー

継続なくして成功無し

sawada_interview-fig2
― エイチ・アイ・エスが成功した最も大きな理由は何だとお考えですか?

澤田:一番はやはり商品のニーズがあったからだと思います。当時、日本人の海外旅行者数は年間約3%程度でしたが、欧米各国は10%以上の人が当たり前のように海外へ行ってました。それなら、日本もそのうち10%の人が海外旅行する時代が必ず来ると信じていました。

だからあとは、諦めずに努力し、継続するだけです。事業を継続する上で、「時期」はとても重要なファクターです。その時は解決できない難題でも、時期がくれば解決できることもある。だけど諦めて投げ出してしまえば、そこで終わってしまいます。

先ほど申し上げた日本の海外旅行時代は、事業が軌道に乗ってまもなくやってきました。バブル景気に突入したからです。それをきっかけに海外旅行市場が一気に拡大し、エイチ・アイ・エスの売上も飛躍的に伸びました。その後のバブル崩壊も、エイチ・アイ・エスにとっては逆に追い風になりました。「旅行は行きたい。だけど費用は出来るだけ押さえたい」という需要が高まったため、超格安ツアーを目玉として打ち出し、顧客層を拡げることができたからです。

すべては創業期のつらい時期でも、事業の成功を信じ、自分を信じ、努力してきたからこそだと思っています。


志なくして成功無し

― 澤田会長の考える、 経営者にとって最も大事なことを教えて下さい。

澤田:まずは「志」を持つことです。経営者が高い志を持ち、それを成し遂げたいという強い気持ちが会社を成長させる何よりの原動力です。志のない経営者に、部下も顧客もついてきてはくれません。自らの志をもとに会社のビジョンを描くことで、そこに求心力が発揮されるのです。

そういった意味で、設定した目標を必ず達成する遂行能力も同時に必要です。事業をやっていれば、思い通りにいかないことや障害が必ず起こります。創業時は特にそうでしょう。私も当時は毎日が不安や焦りとの葛藤でした。そういった壁を乗り越えることが出来るのも、強い志があればこそです。それがないと、事業が儲かるまで継続する事は難しいでしょう。

実務的な面で言うと、財務諸表を読む力も重要です。財務諸表には、会社の問題点や課題がはっきりとあらわれます。お金があれば、とりあえず会社が潰れる事はありませんから、そのお金をきちんと管理する為にも、財務諸表を的確に読み解く力は経営者に必須ですね。