ベンチャー社長に贈る!営業と叱り方の極意 中山直樹社長 インタビュー

相手の心を開かせる3つのポイント

好意をもち、わくわく感を高めていく

− “マインド”というところをもう少し詳しく教えてください。

中山:営業における考え方でノウハウ以上に大事なことは3つあります。
そのキーワードを挙げると、「好意」「相手の利益」「継続性」です。

まずは「好意」ですが、相手に好かれるためには、まず「自分から相手に好意をもつ」ということです。あなたが相手に好意を持つことで、相手の心が開き、人間関係を構築することができます。

営業においても、そこがスタートになります。相手に自分を受け入れてもらうためには、まず自分から相手に好意をもつことが大事です。そうしないと、相手も自分に対して心を開いてくれません。

− 「相手に好意をもつ」というのは具体的にどのようなことでしょうか。

中山:好意とは「相手に興味をもつこと」といってもよいかもしれません。例えば、はじめて会う人に対して「この人はどういう人なんだろう?」と興味を抱くことです。

今日は私が取材を受けていますが、「取材をしていただく方はどんな人だろう?」と興味を抱きながらこちらへ伺いました。このように、興味や好意をもって、わくわくするところから始めないと、良い人間関係はスタートしないのではないでしょうか。

営業される相手としても、「あ、自分に好意を持ってくれているな」と感じて初めて、こちらについての興味をもつのだと思います。

★ポイント1「相手に好意をもつ」:まずは自分から相手に興味をもつ。そこから人間関係は始まる。


ベンチャーだからこそ長期的な営業が成長の近道

― ベンチャーだからこその「営業の考え方」はありますか。

中山:ベンチャーの場合、早く売り上げを立てたいと思って、焦ってしまうことがあります。そうなると目先のことにとらわれてしまいます。しかし、会社のことを考えれば、長期的な関係をお客様と築いた方が良いのです。そうすれば、安定収入を確保できるので、経営が安定して、新しい投資といった様々な手を打つことができるようになります。

そのためにも、営業をして説明をするときには「相手の利益を現在と将来にわたって考える」癖をつけてください。

ただその時に考慮すべきなのは、その時だけではなく未来の利益にもなるか?と想像することです。瞬間的な利益もメリットではあるのですが、本当に相手を想うのであれば、その先も考えて提案をすべきでしょう。

はじめのポイント「好意を持つ」と合わせて、あなたが相手を想って長期的なメリットのある提案をすれば、相手は心を開いてくれるでしょう。

★ポイント2「相手の利益を考える」:今だけでなく将来にわたる相手の利益を考え、提案する。


あえて下請けに甘んじ、相手の信頼を得る

− 最後のキーワード「継続性」とは長期的な関係を築くということでしょうか。

中山:そうです。「お互いの取引やサービスの継続性を考えること」です。独立直後の場合、仕事を依頼する側からみると、あなたが継続的に仕事をできるのか少なからず不安を抱いています。

そのため、自社で対応できる内容であれば構いませんが、問題は、自社のキャパシティを超えている仕事と感じた場合です。利益を立てたいと思って無理をしがちですが、それでは相手と良好な関係を長期的に築くことはできません。必ずミスが起こり、相手に損害を与えてしまいます。

ですから、自分のキャパシティを超えていると感じた場合は、それを補えるような会社に仲介として入ってもらうことも時として必要です。特に起業間もない創業期のベンチャーの場合は、提供できる商品やサービスの実績も乏しく信頼性がありません。信頼や安心を与えるためにも無理をしないことが大事です。

そうやって相手の信頼を勝ち得ていきながら、会社を大きくしていくことで、下請けから直接契約ができる企業へと成長していくのです。

★ポイント3「継続性を考える」:お互いの取引の継続性を考慮し、自分のキャパシティに不安がある場合は下請けにまわる。