変化に強い企業が生き残る「企業進化論」 〜 ライフネット生命 出口 治明 会長 インタビュー

トップの存在意義

長井:SNSに抵抗はなかったのですか?

出口:正直言うと、個人的にはSNSは苦手です。パソコンのキーボードだって、1本指で打つレベルです。でも自分自身の趣味趣向や好き嫌い、美学などは、経営には一切関係がない。会社にとって必要なことをやるのがトップですから。役職を”権力”として捉えている人が結構いますが、本質はまったく別で、ひとつのファンクションでしかないと、僕は考えています。

ライフネットは、保険業界という40兆円のマーケットで、まだ76億円しか売り上げがない状況です。言ってしまえばまだ「Nothing」です。それを「Something」にしなくてはならない。それが僕の役割です。それに対して、できる限りの事を一所懸命やる。それだけしか考えてないですね。

時流適応型企業が生き残る

長井:それでは最後に、創業したばかりの方へメッセージをお願いします。

出口:一番は、ダーウィンの進化論をよく思い返して下さいということです。ダーウィンは、「何が起こるかわからない世の中で、生き残るのは賢く強い生物ではなく、世の中の変化に適応できる生物だ」と論じています。創業前に考えたプラン通りに行く会社は少ない。でも何が起きても動じず、どうしたら乗り切れるのか、というのをまず考えるのがビジネスの基本です。会社を創ったら、一番大事なのは会社を潰さない事。その為には、変化に対応するしかないのです。

ライフネットを例にとると、スマ?トフォンの台頭が挙げられます。開業した当初は存在しなかったスマホの普及で、契約率が下がる。PC入力であれば15分で完了する申込も、スマホでは45分かかってしまうからです。これは創業当初想像できませんでした。でも、何が起きても落ち着いて、どうやったらその世の中の変化に対応できるかを冷静に判断することが、経営者として何よりも大事だと、僕は考えています。

(創業手帳編集部)
BB-WAVE掲載日:2014年11月19日