経営で困る資金繰りを助ける助成金・補助金についての秘訣を紹介します。年間1000種類以上(一説には3000種類!)存在すると言われてる助成金。申請には労力もリスクも必要ありません!

補助金が合格したのにもらえない!? 3つの落とし穴とは

■補助金申請は、経営者にとっての大学受験!

前回のコラム「新規事業・創業系補助金をまとめて申請する方法」への反響、ありがとうございました。
いただいたご意見をみると、やはり「補助金は一つしか申請できない」と勘違いしている方が非常に多かったようです。

申請は、大学受験と同じです。

一つしか受験できない、ということはなく、10校でも20校でも気力と体力が続く限り受験可能です。
しかも大学受験とは異なり、固定の受験料は不要です。本当にチャレンジし甲斐があります。

申請は、大学受験と同じです。

ただ、ここで注意が必要です。それは「補助金は全て後払い」だということです。これは厚生労働省管轄の助成金も同じです。

使った後、もらう。

この順番を勘違いしている人が意外に多いです(おそらく7割くらいの方は)。先にはもらえません。

■合格したのに受給できない、3つの大きな落とし穴とは?

2015年に入り弊社でもたくさんの申請支援を実施しています。先月2月だけでも約500名の方とお会いし、約100件の申請支援依頼を受け、45事務所の提携認定支援機関と連携し、申請のお手伝いを進めています。

・Jマッチ無料登録:http://tinyurl.com/ot54h65

今年は弊社の体制も整ってきたことも有り、年間数千件程度の支援ができると思っています。この数字は、国内でもダントツかもしれません。

そこから見えてきた補助金合格後の「落とし穴」を3つほど説明したいと思います。これは誰もが陥る大きな穴です。

まず最初は「一番大きな穴」からお伝えできればと思います。
それは、手持ちのキャッシュ(現金)です。

■お金がなければ補助金はもらえない

たとえば、皆さんが200万円の創業補助金に合格したとします。1年後とは言え、200万円が振り込まれるのはとてもありがたいことです。
ですが、それまでには最低でも300万円を使わなければいけません。言い換えると、300万円が無いと200万円がもらえない、ということです。

「300万円くらいなら今でもあるよ」

では、それが700万円のものづくり補助金だったらいかがでしょうか。先に1050万円を使わなければいけません。
まだ小規模な会社だと、それなりに厳しい金額だと思います。
そして、中小企業応援ファンドは800万円です。その補助率は50%。つまりは1600万円を使わないと800万円がもらえない・・・もし複数の補助金に「無事に受かってしまったら」そう考えると、多額のキャッシュが必要になってしまいます。

・・・もし複数の補助金に「無事に受かってしまったら」

では、どうしたらよいのか。
それは融資を受けることです。

特に「信用金庫」か「日本政策金融公庫」がよいと思います。

●その理由とは

 ・大手都市銀行は、極めてハードルが高い(残念ながら…)
 ・信用金庫の営業は地域免許制。そのため地元企業に優しい
 ・日本政策金融公庫は財務省の特殊会社。中小企業を優遇している

言い換えると、創業時などのまだ会社の規模も小さい時には実質的には「信金」と「公庫」しか選べません。
また、さらに大きな理由があります。

●さらに大きな理由とは

 ・創業融資コースの利息は1.35%前後と安い
 ・市区町村が出す「利子補給」の制度を使うと、利息を補助金で補填出来る
 ・中小企業庁から各金融機関に、補助金活用時の「つなぎ融資」円滑化の要請が正式に実施されている

・補助金交付までの間の事業資金に対する つなぎ融資の円滑化を図るための要請について

 http://www.chusho.meti.go.jp/keiei/sogyo/2013/131106tunagi.htm

試しに金融機関の担当者に「通達が出ているので審査は多少優遇されますか」と聞いてみました。答えは「そんなことありません」とはっきり言われてしましました。

どこまで優遇されているかはわかりませんし、担当者の方も「審査が甘くなります」とは言わないと思いますが、ただ、こういった指導を国が行っていることは本当の話です。

■融資に合格するには、何に気をつけたらよい?

審査合格のアドバイスを求められることは多いです。ここでは3つほど「できるだけ実践的」な助言をさせていただきます。

その1.「創業」融資だけれど、「これから始めます」という事業計画書はNG

創業前の事業計画書だからといって「空想」だけを書いてしまうとかなりの確率で不合格になります。
金融機関はまだ見えないものにはなかなかお金を出してくれません。「既に初めています。こんな反省がありました。その点を改善しバージョンアップした事業で創業します」と書いてください。驚くほど反応が変わります。

その2.事業計画書以外も充実させよう

事業計画書だけを用意しても上手くは行きません。
他にも実際に利用する「契約書」だったり、事前営業した結果資料だったり、実際の提携先との提携契約書だったり、誰かからの応援メッセージだったり、そういった周辺領域が重要になります。皆さん以外の第三者(しかも初対面)は、そういった色々な資料がないと中々信用してくれません。

その3.エクセルの計算ミスは致命的NG

計算ミスだけで本当に不合格になります。
これは実際の話です。とある方が融資担当の方に「単純なエクセルのミスですよ。いいじゃないですか」と粘ったことがありました。金融機関の融資担当からは「いいですか、これがこれからのあなたの仕事なんです」と真顔で言われ、結果は不合格のままだったそうです。

■融資審査は二股も有り

信金と公庫、両方の融資審査を受けてもいいのでしょうか?

「信金と公庫、両方の融資審査を受けてもいいのでしょうか?」

これは、特に問題はありません。金融機関の担当者からすると嫌なことかもしれませんので推奨はしませんが、同時に(ないしは順番に)受けることは可能です。

金融機関の融資は「信用保証協会」を間に挟んで実施することがほとんどです。わかりやすく言うと「保証人代行」のようなものでしょうか。賃貸マンションの契約をする時も保証協会的な会社を挟むことも多いと思います。

この信用保証協会がOKという判断をすれば、皆さんの融資審査は合格になります。逆にNG等判断になると、なんと全ての信用金庫での融資がNGになってしまうのです。ご存知でしたか・・?

・信用保証協会とは
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BF%A1%E7%94%A8%E4%BF%9D%E8%A8%BC%E5%8D%94%E4%BC%9A

一方、日本政策金融公庫の方は、独自の審査で合否を判断しています。その為、信金で落ちても公庫で合格する(ないしは逆もあり)といったことが起こりえるのです。

■残り2つの落とし穴とは

ここまでいかがでしたでしょうか。出来る限りわかりやすく、ということで多少極端に言い切ってしまった部分もありますが、ある程度「審査する側」の気持ちもご理解いただけたのではないかと思います。
ただ、結局は人と人の審査になるため、「担当が変わったらあっさり合格した」ということも多々あります。諦めずに是非できる限りの準備と試行錯誤を繰り返してみてください。

最後に、残り2つの落とし穴にも言及しておきます。

・落とし穴2:合格直後の申請予定経費一覧作成が大変

合格直後に細かい経費の内訳を一覧にして提出します。そこでつまずく方が意外に多くいます。いざ経費を使える段階になって「??」となってしまわないよう、経費の内訳はきちんと考えておきましょう。

・落とし穴3:一年後の申請処理が思ったより大変

一年後の補助金受給時に、相見積もりの用意やその経費を使う必然性の証明などが必要になります。
とは言え、当然秘訣があります。あまり細かい経費まで含めず、かつ人件費など相見積が不要なものなどをきちんと整理しておき、合格後の書類も意識して事業計画書を書けば問題ありません。

まだまだ書きたいノウハウはあるのですが、今回はここまでとさせていただきます。
もし融資など更に深く知りたい方は、弊社の方で定期的に「日本政策金融公庫」さんと共同でセミナーを開催しています。
参加は無料ですので、遠慮なくご参加ください。

・セミナー最新日程一覧 ※随時更新しています
https://www.eventbook.jp/category_company.php?corp_no=12

次回お会いする4月には、また新たな補助金そして助成金がたくさん発表されるとの情報が届いております。
その辺りを先行的にご紹介できればと思っております。
また次回も、よろしくお願いします!

 

白石 崇(しらいし たかし)

白石 崇(しらいし たかし)
筑波大学時代、吉田研究室にてコンピュータコミュニケーションを専攻。
大学卒業後、NTTに入社。SE、営業、プロバイダーぷららの企画部を経験。
2001年、(株)サイバーエージェントに入社。同社初のコンテンツ制作部門「メルマガファクトリ」立ち上げ。
2002年、「(株)ライトアップ創業( http://www.writeup.co.jp )。
創業後、企業のメールマガジン編集代行業務から、バズマーケティングと事業領域を広げ、現在ではクラウドサービスの共同開発組合(JDネット: https://jdn.wgps.jp/ )を運営、加盟企業は1,300社超。
また、国内初の「補助金・助成金取得支援クラウドサービス:Jマッチ( http://www.jmatch.jp )」をリリース。
2014年現在14期目突入、社員80名。