「見やすく、読みやすく、わかりやすく」がグッドプレゼンテーションの大原則。よい企画をより魅力的にする企画書のデザインを伝授。講師:トダセイイチロウPROFILE

VOL.8:コンペに勝つ! 雑誌に学ぶ企画書


企画書のデザインについて、プロから基礎を学んできた本講座。いよいよ最終回です。
今回は、コンペなど競合プレゼンの場で他社の企画書と一線を画す、雑誌のような美しいレイアウトについて。
全8回に渡り学んできたことを総括する内容です。


[目次]
STYLE1:写真を使って迫力のある「表紙」と「扉」を構成
STYLE2:1行の文字数に現れるデザインセンス
STYLE3:グリッドとガイドを活用して商品を美しく配置
今回の「イチオシ!」:企画書用のイメージ写真を撮りだめしておこう!

■STYLE1:写真を使って迫力のある「表紙」と「扉」を構成

読みやすいデザイン、意味を的確に伝えるデザインを学ぶ教科書として、雑誌を眺めてみると勉強になるという話は、VOL.1の【今回のイチオシ!】でした通り。
雑誌というのは、文章や写真の見せ方をとてもよく考えて作られているのです。
企画書の「表紙」や「扉」を作成する際にも、そのデザインセンスを取り込んでみましょう。

雑誌の特集の「扉」、つまり一番最初のページには、たいてい、写真やイラストが大きく使われています。
ビジュアル系の雑誌では、見開き2ページ全面が写真という場合もあるでしょう。
特集の顔とも言える大事な部分に、その特集のイメージをもっともよく表すものを、ダイレクトに配置しているのです。
企画書を作成する際も同様に、その企画のイメージに合った写真を「表紙」や「扉」で大きく扱うと、文字だけで構成するより洗練された印象になります。

写真を使って迫力のある「表紙」と「扉」を構成
写真を使って迫力のある「表紙」と「扉」を構成

【スライドの背景に写真を配置する方法】

■PowerPoint 2003以前
 メニューの「書式」から「背景」を選択、ダイアログボックスが表示されるので、プルダウンメニューから「塗りつぶし
 効果」を選択。「図」内で「図の選択」をクリック。画像ファイル(JPEG / GIF)を選び、「OK」の後に「適用」。
■PowerPoint 2007以降
 「デザイン」リボンの「ユーザー設定」から「背景の書式設定」を選択すると画面の右側にメニューが表示されるので、
 チェックボックスから「塗りつぶし(図またはテクスチャ)」を選択。「図の挿入元」内で「ファイル」をクリック。
 使用したい画像ファイル(JPEG / GIF / PNG)を選び、「挿入」。
全スライドの背景を同じ画像にしたい場合は「すべてに適用」を選びます。

なお、写真の上に文字をのせる際は読みづらくない色を選び、場合によっては影を付けるなどの工夫もこらしましょう。

■STYLE2:1行の文字数に現れるデザインセンス

もしも新聞の一番上から下までを1行として、文章が書かれていたら──。
あまりの読みづらさに、新聞の読者は確実に減るのではないでしょうか。
快適に読み進められる、目にやさしい「文字数」があることは、企画書を作成する際にも忘れてはならない事項です。

1行の文字数に現れるデザインセンス

1行の文字数は文字の大きさによって変わってきますが、9ポイント程度であれば1行は15〜20字を目安に考えてください。
配布用企画書の、読みやすい文字の大きさと行間については、VOL.4の【STYLE3】で詳しくご説明していますので、そちらもぜひ復習しておいてください。
さらに、必要に応じて、文章のブロックを分割する(段組といいます)ことも覚えておきましょう。

【タテ書き】

上:読みやすい文字数にし、それに合わせて文章のブロックを3分割した例。

読みやすい文字数にし、それに合わせて文章のブロックを3分割した例。

【ヨコ書き】

上:読みやすい文字数にし、それに合わせて文章のブロックを2分割した例。

読みやすい文字数にし、それに合わせて文章のブロックを2分割した例。

下:1行の文字数が多く、読みづらい例。

1行の文字数が多く、読みづらい例。

下:1行の文字数が多く、読みづらい例。

1行の文字数が多く、読みづらい例。

■STYLE3:グリッドとガイドを活用して商品を美しく配置

商品を一覧できるようなページを作成する場合に注意したいのが、画面いっぱいに不規則に並べてしまうこと。
せっかく他のページがきれいにまとまっていても、その1ページのために雑然とした印象を与えてしまいかねません。

悪い例。てんでばらばらに配置されているので、雑然として見える。

悪い例。てんでばらばらに配置されているので、雑然として見える。

VOL.3の【STYLE1〜3】で学んだ「グリッドデザイン」を思い出し、グリッドを意識しながら配置しましょう。
例えば、文章ブロックの左端と、画像の左端の位置を揃える、といった具合です。

よい例。グリッドに沿って配置されているのできれいに見える。

よい例。グリッドに沿って配置されているのできれいに見える。

画像を配置する場合は、見た目のサイズを統一する方法と、メリハリ(大小)をつけて配置する方法があります。
下のサンプル画像は、多少メリハリをつけたものになります。

よい例。グリッドに沿って配置されているのできれいに見える。

■今回の「イチオシ!」

企画書用のイメージ写真を撮りだめしておこう!

これまでご覧いただいたように、写真やクリップアートなどオブジェクトを挿入すると企画書がぐっとリアルになります。

クリップアートは「BB-WAVE」のものを活用していただくとして、では写真は──?
きっと皆さんデジカメをお持ちだと思いますので、企画書用にイメージ写真を撮りだめしてはいかがでしょう。
その際、ただ闇雲に撮るのではなく、構図を考えることが大事。
ときにはしゃがんで撮ったり、アングルを変えてみるのもいいですね。ストロボをたかずに自然光で撮ると、自然な雰囲気になるので、ぜひ挑戦してみてください。

「PowerPointクリップアート」はこちら

トダ セイイチロウ

トダ セイイチロウ
1967年東京生まれ。
グラフィック・デザイナー。
東洋美術学校造形デザイン科卒業。
企業デザイナー、広告制作会社を経て、2003年に「buzz graphix(バズ・グラフィックス)」を設立。
紙媒体を中心にデザイン制作を行っている。