「見やすく、読みやすく、わかりやすく」がグッドプレゼンテーションの大原則。よい企画をより魅力的にする企画書のデザインを伝授。講師:トダセイイチロウPROFILE

VOL.6:オブジェクトの効果を最大限に引き出す


企画書のメインは<文章>ですが、<オブジェクト>など文字以外の要素にも気を配ると、より深みのあるものに仕上がり、企画書のクオリティがワンランクアップします。
第6回は、そのオブジェクトの選び方、配置について取り上げます。


[目次]
STYLE1:オブジェクトの役割によってメインとサブを使い分ける
STYLE2:PowerPointでの視覚にうったえるグラフ作成
STYLE3:写真素材を選ぶ際に意識したいこと
今回の「イチオシ!」:企画書内のクリップアートはタッチを揃えて!

■STYLE1:オブジェクトの役割によってメインとサブを使い分ける

イラスト(クリップアート)や写真といった「オブジェクト」には、視覚にうったえる力があります。
ですから、企画書の中に、ワンポイントとしてオブジェクトを挿入することは、伝えたい内容(文章)を補足する手段として、とても効果的です。

とはいえ、白い余白が目立つから、何でもいいからとりあえず、といったように安易にオブジェクトを挿入するのはマイナス効果になりかねないので要注意。 オブジェクトの役割をしっかり考え、ベストのものを選び出し、もっとも適した場所に配置する必要があります。

では、そのオブジェクトですが、どのように選び、どんな場所に配したらいいのでしょう?
考えられるパターンは次の2つです。

・サブ的な要素として扱い、メインの文章をサポートする
・メインの文章と同じように大きく扱い、雰囲気を醸し出す

オブジェクトにサブ的な役割を担わせたい場合は、あまり動きや色が派手でないものを選ぶとよいでしょう。
例えば、下の図1では、主役はあくまでもグラフ。
それをサポートし、このグラフは女子高生・男子高生の統計結果なのだと直感的に伝えるものとして、オブジェクト(この場合はクリップアート)が挿入されています。

クリップアートを、メインの「グラフ」をサポートするサブ的な要素として扱う場合。

クリップアートを、メインの「グラフ」をサポートするサブ的な要素として扱う場合。

続いて図2をご覧ください。
こちらは、女子大生が大きく配置され、このページ自体の雰囲気造出に一役買っています。
この場合、カラフルなもの、動きのあるものを使うことがポイントとなります。

クリップアートをメインの「文章」同様に大きく扱い、ページの雰囲気作りに役立てる場合。

クリップアートをメインの「文章」同様に大きく扱い、ページの雰囲気作りに役立てる場合。

どちらの場合にも気をつけたいのが、オブジェクトの統一。
1つの企画書の中に異なるタッチのクリップアートがちりばめられていると、散漫な印象を受けがち。
できれば企画書1本を通して、同じタッチのクリップアートでまとめるのが望ましいのですが、それが難しい場合は、せめて、各章、各ページ単位で統一させましょう。

また、オブジェクトを挿入しすぎると画面がごちゃごちゃし、読み手が息苦しく感じてしまうので、余白(ホワイトスペース)を適度に残すことも大事ですね。

■STYLE2:PowerPointでの視覚にうったえるグラフ作成

登場頻度が高いオブジェクトとして、グラフの存在も忘れられません。
同じOfficeファミリーのアプリケーション「Excel」で作ったグラフをコピー&ペーストで使うのも一つの手ですが、PowerPointでも手軽に作成できる上、アニメーション効果も加えられるので、ぜひ活用してみましょう。

【PowerPointでのグラフ作成】

■PowerPoint 2003以前
 メニューの「挿入」から「グラフ」を選択すると、スライドにグラフが挿入されます。
■PowerPoint 2007以降
 「挿入」リボンの「図」グループにある「グラフ」を選択すると「グラフの挿入」ダイアログボックスが表示されます。
これはデフォルトで表示されるもので、数値はもちろん、グラフの種類や色など、自由に変更可能です。

あまり主張のない平面的なグラフ。

あまり主張のない平面的なグラフ。

■PowerPoint 2003以前
 グラフをダブルクリックするとグラフが選択された状態になりますので、そのまま右クリックし「グラフの種類」を選択。
■PowerPoint 2007以降
 グラフをクリックすると「デザイン」リボンが表示されるので、「種類」グループの「グラフの種類の変更」を選択。
縦棒、横棒、折れ線、円などから選べます。グラフそのものが主役の場合は「3Dグラフ」を選択してより視覚的なものを作成してもいいでしょう。

グラフそのものも主張したいときは、立体的にするなどの工夫を

棒グラフの棒の色を変えたい場合は、
■PowerPoint 2003以前
 ダブルクリックでグラフを選択した状態のまま、変えたい<棒>の上で右クリックし「データ系列の書式設定」を選択。
■PowerPoint 2007以降
 クリックでグラフを選択した状態のまま、変えたい<棒>の上で右クリックし「塗りつぶし」で色を選択。
企画書全体のトーンに合わせてバランスよく変更してみてください。

グラフそのものも主張したいときは、立体的にするなどの工夫を

グラフそのものも主張したいときは、立体的にするなどの工夫を。

■STYLE3:写真素材を選ぶ際に意識したいこと<

オブジェクトとして、イラストやグラフと並んで視覚効果の高い「写真」。素材集から選んでもいいですし、自分が撮影したものを使ってもいいでしょう。

角版の写真を表示した場合。

角版の写真を表示した場合。

写真を角版使用する(長方形や正方形といったもとの矩形を生かした形でレイアウトする)際は、場合に応じて角度をつけると、動きが出ます。

切り抜きの写真を表示した場合。

切り抜きの写真を表示した場合。

オブジェクトに角度をつける方法については、VOL.3の【今回のイチオシ!】をご参照ください。

■今回の「イチオシ!」

企画書内のクリップアートはタッチを揃えて!

「STYLE1」の後半で少し触れましたが、1つの企画書の中にさまざまなタッチのクリップアートが混ざってしまうと、雑然とした印象を与えてしまうことも。できれば、1つの企画書内では1つのタッチで統一しましょう。

BB-WAVEのオススメコンテンツ「クリップアート」は、タッチを絞って展開しているので、使い勝手はいいはず。ぜひ活用してみてくださいね。

「クリップアート」はこちら

トダ セイイチロウ

トダ セイイチロウ
1967年東京生まれ。
グラフィック・デザイナー。
東洋美術学校造形デザイン科卒業。
企業デザイナー、広告制作会社を経て、2003年に「buzz graphix(バズ・グラフィックス)」を設立。
紙媒体を中心にデザイン制作を行っている。