起業支援サイト「ドリームゲート」で累計面談相談数全国1位の中野裕哲氏。会社の作り方がわかる一冊「一番わかる会社設立と運営のしかた」(西東社)でもお馴染みの税理士が資金調達について伝授。

 第27回 起業家のための創業融資入門2

第27回 起業家のための創業融資入門2

前回に続き、起業家向けの公的融資について解説します。

日本政策金融公庫と並び、起業家向けの融資制度としてメジャーなのが、都道府県、市区町村など自治体が行っている制度融資です。

起業家は事業を始めて間もなく、不安定な経営状況になるのが常。社会的な信用が乏しいため、金融機関も積極的に融資することはありません。ただ、それでは、ビジネス経験が豊富で素晴らしいビジネスプランを持っているのに融資が受けられないということになり、せっかくのビジネスチャンスの芽を積んでしまうことになります。

そこで起業家の信用を補完し、また資金を供給することで、円滑に起業家の資金需要にバックアップするのが、自治体の制度融資です。具体的には金融機関と信用保証協会、自治体の三者が一体となって起業家を支援します。

三者それぞれの役割を見ていきましょう。

保証協会

起業家の信用を補完するのが保証協会です。信用補完とは、仮に起業家がお金を返せなくなってしまった場合、保証協会が創業者に代わって金融機関に返済をしてあげることを約束するものです。これなら金融機関はいざというときでも保証協会から返済が受けられるので融資が行いやすくなります。起業家は信用補完をしてもらう対価として、保証協会に保証料を支払います。
なお、保証協会から保証を受けるには、保証協会の審査があります。審査に通ると保証書が発行されます。

金融機関

保証書には金利や返済月数、据え置き期間など返済条件が書かれており、その内容にもとづき、金融機関が起業家に融資します。

自治体

自治体は起業家に制度融資を利用してもらうために斡旋を行います。斡旋があると斡旋した自治体の制度融資が利用できます。起業家の場合、創業計画書の作成が斡旋の条件になっていることがあり、その場合、自治体から派遣された専門家の支援を得ながら創業計画書を作成します。
そのほか、自治体は金融機関に融資用資金の拠出をしたり、起業家が保証協会に払う保証料の一部または全部を、起業家に替わって支払ったりします。

制度融資の特徴

このように自治体の制度融資は、三者が連携して行うものです。そのことが理由で、以下のような特徴があるといえます。

  1. 金利が低い
    自治体の制度融資は、日本政策金融公庫の新創業融資制度よりも低い金利の場合が大半です。自治体の制度融資では、借入金利息の一部を自治体が負担する利子補給制度や、信用保証協会の保証料の一部または全部を自治体が負担する信用保証料補助制度が用意されているため、低金利で融資を受けられる可能性があるのです。
  2. 融資実行まで時間がかかる
    一方で、最大のデメリットとしては、融資実行までにかなり長い期間を要することです。自治体、金融機関、保証協会と三者それぞれの審査を経て融資実行に至るため、最初の相談から融資実行まで2ヶ月以上、長い場合は3ヶ月程度かかります。日本政策金融公庫の創業融資制度が数週間から1ヶ月程度で実行に至るのに対し、かなり時間のロスになってしまいます。店舗やオフィス物件の取得をしたい、誰も追いつけないように早く新ビジネスを始めたいなどのニーズがある場合は向いていないといえるでしょう。
  3. 自己資金要件が厳しめ
    もうひとつのデメリットとしては、自己資金要件が厳しめなケースが多いこと。日本政策金融公庫の新創業融資制度の場合、求める自己資金割合が1/10なのに対し、自治体の創業融資は1/2の自己資金割合を求めていることがほとんどです。結果として、日本政策金融公庫の新創業融資制度を利用する場合よりも、受けられる融資金額がかなり少なくなることが多くなります。自己資金が潤沢な場合に利用したい制度だといえるでしょう。
  4. 基本的に連帯保証人としてのサインが必要
    さらには、自治体の制度融資は、民間金融機関が絡む以上、経営者が連帯保証人としてのサインをするのが一般的です。この点、日本政策金融公庫の創業融資を利用するよりも、起業家側のリスクが高い制度だといえます。

自治体が行う制度融資の特徴、ご理解いただけましたでしょうか?やや複雑な制度となっているため、わかりにくいところもあるかと思います。

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起業コンサルV-Spiritsグループ
税理士法人・社会保険労務士法人・行政書士法人・司法書士事務所V-Spirits
http://www.v-spirits.com/

中野 裕哲(なかの ひろあき)

起業コンサルタント(R)、税理士、特定社会保険労務士、行政書士、
ファイナンシャルプランナー(CFP(R)、一級ファイナンシャルプランニング技能士)。
起業コンサルV-Spiritsグループ代表(税理士法人・社会保険労務士法人・行政書士法人・司法書士事務所・株式会社V-Spirits/V-Spirits会計コンシェル・給与コンシェル・FPマネーコンシェル株式会社)。

起業家支援をライフワークとし、起業準備から起業後の経営に至るまで、窓口ひとつでまるごと支援する「まるごと起業支援ドットコム」を主催。
「起業支援を通して、この国を挑戦者であふれる国にしたい!日本を元気にしたい!」という理念のもと、年間約300件の起業相談を無料で受け、多くの起業家を世に送り出している。
日本最大級の起業支援ポータルサイト経済産業省後援DREAM GATEにて6年連続面談相談件数日本一。最優秀賞他8部門で受賞。起業の最前線、現場での支援経験に基づく独自の起業・独立ノウハウに定評がある。

All About「起業・会社設立のノウハウ」(オールアバウト社)にて公式記事執筆を担当。その他、TV、雑誌、新聞等の各種メディアにて起業に関する解説実績多数。著書・監修書は「一日も早く起業したい人が『やっておくべきこと・知っておくべきこと』」(明日香出版社)、「オールカラー個人事業の始め方」(西東社)、「オールカラー 一番わかる会社設立と運営のしかた」(西東社)など多数。

専門分野はビジネスプランのブラッシュアップ、事業計画書作成指導、創業融資、助成金・ 補助金の獲得支援、税務会計、人事労務、会社設立、許認可サポートなど。その他にもオフィス・店舗物件探し、ブランディング、マーケティング、メディア戦略、出版戦略、集客・販促などのアドバイス、人脈の紹介まで行う。