起業支援サイト「ドリームゲート」で累計面談相談数全国1位の中野裕哲氏。会社の作り方がわかる一冊「一番わかる会社設立と運営のしかた」(西東社)でもお馴染みの税理士が資金調達について伝授。

 第19回 株式会社と合同会社

第19回 株式会社と合同会社

年間に設立される会社の件数はどのくらいあるか知っていますか。
2014年はおよそ106,000社の設立が行われました。そのうち、最も多いのが株式会社で約86,000社、次に多いのが合同会社で約20,000社でした。ほかにも合名会社や合資会社といった形態もありますが、合わせて約200社でした。
このように、8割が株式会社、2割が合同会社と、ほとんどこの2つの形態での会社設立が行われています。2006年の会社法施行時には、株式会社での設立が9割を超えていましたが、年々合同会社の件数も増えてきています。
それでは、株式会社と合同会社ではどのような違いがあるかを見ていきましょう。

設立時の費用の違い

まず設立手続きに際しての大きな違いは、費用です。合同会社では、公証人による定款の認証が不要であるため、株式会社と違って認証費用がかかりません。また、設立に要する登録免許税も株式会社の半分以下なのです。

株式会社 合同会社
定款認証費用 約52,000円 認証不要
登録免許税 150,000円 60,000円

表から分かるように、約14万円の差があります。

株式会社が選ばれるわけ

これだけ見れば合同会社が断然お得に見えますが、依然として株式会社の件数が多いのはなぜでしょうか。

その理由の一つとして考えられるのは、知名度です。合同会社は会社法施行とともに新たにできた会社の形態です。会社といえば株式会社というイメージはいまだに強く、取引先としても、株式会社の方が安心感があるといえます。

もう一つは、資金調達の幅が広がる点です。事業を拡大する場合などで新たな資金需要が発生した場合を考えてみましょう。合同会社ですと、新たに出資を受ける場合には、社員全員の同意が必要となるなど手続きが煩雑で、大口での資金調達は借入れが中心となります。一方、株式会社であれば、株主総会の決議で募集株式の発行が可能ですので、合同会社に比べて、出資は受けやすいといえます。

このように、設立後は何かと株式会社の方が事業を運営しやすいのです。合同会社をオススメできるケースとしては、個人事業主が税金対策で法人成りする場合や、飲食店など会社名が前面に出ない商売が考えられます。個人事業主の法人成りであれば、すでに個人事業主として取引先との信頼関係もできているので、合同会社であってもさほど抵抗感もないでしょう。また、飲食店など店舗系ビジネスでは、社名とは別に思い思いの店名をつけるため、社名に注目されることがあまりありません。

とはいえ、多店舗展開する場合など、第三者から出資を受けるケースもないとは言えません。その場合は、やはり株式会社の方が都合がよいでしょう。こうした場合には、組織変更ということも可能です。一旦合同会社として設立したけど、やはり株式会社に変更したいという場合は、所定の手続きをとって登記すれば、変更できるのです。

ほかにもいろいろある違い

株式会社と合同会社でほかにどのような違いがあるかまとめてみました。

株式会社 合同会社
出資者の名称 株主 社員
出資者の責任 出資額までの有限責任 出資額までの有限責任
設立と運営に必要な人数 1人以上 1人以上
意志決定最高機関 株主総会 社員総会
業務執行者 取締役 業務執行社員
業務執行社員を選任しない場合は社員全員
業務執行者と出資者の関係 委任契約
株主以外からでも選任可
社員本人
社員以外からは選任不可
業務執行者の任期 通常2年、最大10年 任期なし
会社の代表者 各取締役
代表取締役を定めることも可能
各社員
代表社員を定めることも可能
株主への利益配分 株式の割合に応じて配分 出資割合に関係なく社員の合意で自由に配分
株式(持分)の譲渡 原則として自由
譲渡制限をかけることも可能
社員全員の同意が必要

第19回 株式会社と合同会社

費用面に目が行きがちですが、このように法律上もさまざまな違いがあります。

株式会社にするか合同会社にするかは将来的な事業展開なども踏まえてきめるべきです。どちらで設立するか迷っている場合は、税理士などの専門家に相談してみましょう。
もちろん起業コンサルV−Spiritsグループでも税理士や司法書士などの専門家がいろいろな角度からアドバイスをすることが可能です。無料相談にいつでもお越しください。

起業コンサルV-Spiritsグループ
税理士法人・社会保険労務士法人・行政書士法人・司法書士事務所V-Spirits
http://www.v-spirits.com/

中野 裕哲(なかの ひろあき)

起業コンサルタント(R)、税理士、特定社会保険労務士、行政書士、
ファイナンシャルプランナー(CFP(R)、一級ファイナンシャルプランニング技能士)。
起業コンサルV-Spiritsグループ代表(税理士法人・社会保険労務士法人・行政書士法人・司法書士事務所・株式会社V-Spirits/V-Spirits会計コンシェル・給与コンシェル・FPマネーコンシェル株式会社)。

起業家支援をライフワークとし、起業準備から起業後の経営に至るまで、窓口ひとつでまるごと支援する「まるごと起業支援ドットコム」を主催。
「起業支援を通して、この国を挑戦者であふれる国にしたい!日本を元気にしたい!」という理念のもと、年間約300件の起業相談を無料で受け、多くの起業家を世に送り出している。
日本最大級の起業支援ポータルサイト経済産業省後援DREAM GATEにて3年連続相談件数日本一。最優秀賞他8部門で受賞。起業の最前線、現場での支援経験に基づく独自の起業・独立ノウハウに定評がある。

All About「起業・会社設立のノウハウ」(オールアバウト社)にて公式記事執筆を担当。その他、TV、雑誌、新聞等の各種メディアにて起業に関する解説実績多数。著書・監修書は「一日も早く起業したい人が『やっておくべきこと・知っておくべきこと』」(明日香出版社)、「オールカラー個人事業の始め方」(西東社)、「オールカラー 一番わかる会社設立と運営のしかた」(西東社)など多数。

専門分野はビジネスプランのブラッシュアップ、事業計画書作成指導、創業融資、助成金・ 補助金の獲得支援、税務会計、人事労務、会社設立、許認可サポートなど。その他にもオフィス・店舗物件探し、ブランディング、マーケティング、メディア戦略、出版戦略、集客・販促などのアドバイス、人脈の紹介まで行う。