起業支援サイト「ドリームゲート」で累計面談相談数全国1位の中野裕哲氏。会社の作り方がわかる一冊「一番わかる会社設立と運営のしかた」(西東社)でもお馴染みの税理士が資金調達について伝授。

 第15回 本店所在地を決めよう

第15回 本店所在地を決めよう

会社設立をするときには、さまざまなことを決めなければなりません。特に悩むことが多いのは、社名、資本金、そして、本店所在地。本店所在地を決めるうえで、最低限知っておくべき基礎知識というのが存在しています。今回は、本店所在地を決めるときのセオリーについて解説していきます。

本店とは

まずは基本的なところからおさらいしていきましょう。本店とは、法律上の会社の本拠地の住所です。会社を設立する際には、必ず本店所在地を登記しなければなりません。起業当初は、業務を行うメインの場所を本店として登記するのが一般的です。

自宅を本店所在地にする場合

登記上の本店所在地を決めるには、まずはどこを拠点として事業を行うのかとイメージしましょう。
お金がない起業当初は自宅をオフィスとして使用する場合もあります。自宅オフィスの場合は、次の点に注意しましょう。

賃貸住宅の場合 賃貸借契約書で事業目的の使用が原則禁止されている場合、その部屋を本店として登記してよいかどうか、必ず不動産業者または大家に確認します。
分譲マンションの場合 賃貸と同様に、事業目的での使用が禁止されている場合は、管理組合に確認します。

更に、住宅ローン控除を受けている場合は、事業用にすることで一部、適用を受けられなくなる場合があったり、許認可が必要な事業については、許認可への影響が出たりする可能性があります。専門家に相談するなどして、自宅オフィスで問題ないか確認することをオススメします。

第15回 本店所在地を決めよう

自宅以外を本店所在地にする場合

次に、自宅以外でオフィスを構える場合について見ていきます。
起業をする際に、事業拠点を決めるポイントは次の5つです。

立地、イメージ 飲食店など立地そのものが事業の盛衰に関わるビジネスでは、効率よく集客できる地域を選ぶ必要があります。また、「○○の聖地」のような住所自体のイメージを戦略的に利用することも考えられます。
価格 創業当初は、オフィスの賃料は大きな負担となります。借りる際は、資金繰りの面から無理のない範囲で決める必要があります。
バーチャルオフィスは極力回避 各種詐欺などの犯罪防止の観点から、銀行口座の開設時にはかなり厳しい審査がなされます。特にバーチャルオフィスが本店の場合、口座開設を断られる可能性が大です。
郵便物の受け取り 税務や社会保険に関する書類は、原則として登記上の本店住所に届きます。本店住所での受け取りが難しい場合は、転送届を出しておきましょう。ただし、転送不可のものもあるのでご注意を。
許認可 許認可が絡む業種については、あらかじめ所轄官庁に本店の住所が問題ないか確認しましょう。

本店所在地の登記上の表記方法

事業拠点が決まれば、次は登記上の表記を決めます。
表記の方法は、次のようなものが考えられます。

  1. 東京都新宿区新宿●丁目●番●号(ビル名なし、部屋番号なし)
  2. 東京都新宿区新宿●丁目●番●-101号(ビル名なし、部屋番号あり)
  3. 東京都新宿区新宿●丁目●番●号▲▲ビル(ビル名あり、部屋番号なし)
  4. 東京都新宿区新宿●丁目●番●号-101号▲▲ビル(ビル名あり、部屋番号あり)

登記事項証明書、いわゆる登記簿謄本は、取引先などに提出する場合もあります。
イメージなども考えて表記方法を決めましょう。

起業する際の立地は重要

特に飲食店などの店舗系ビジネスでは、立地は成功のための重要な要素の一つです。お気に入りの物件を見つけるためには、多くの物件を見る必要があります。そのためには、不動産会社を選ぶのも重要なポイントです。不動産会社は、サイトで得られる情報の何倍もの情報を保有しています。そのため、店舗探しでは、かならず不動産会社のサポートが必要です。不動産会社を選ぶ際は、単に近くにあったからというだけでなく、過去の実績を確認するなどして、起業時の重要な店舗探しを任せられるかどうかを判断しましょう。

起業コンサルV-Spiritsグループ
社会保険労務士法人V-Spirits
http://www.v-spirits.com/

中野 裕哲(なかの ひろあき)

起業コンサルタント(R)、税理士、特定社会保険労務士、行政書士、
ファイナンシャルプランナー(CFP(R)、一級ファイナンシャルプランニング技能士)。
起業コンサルV-Spiritsグループ代表(税理士法人・社会保険労務士法人・行政書士法人・司法書士事務所・株式会社V-Spirits/V-Spirits会計コンシェル・給与コンシェル・FPマネーコンシェル株式会社)。

起業家支援をライフワークとし、起業準備から起業後の経営に至るまで、窓口ひとつでまるごと支援する「まるごと起業支援ドットコム」を主催。
「起業支援を通して、この国を挑戦者であふれる国にしたい!日本を元気にしたい!」という理念のもと、年間約300件の起業相談を無料で受け、多くの起業家を世に送り出している。
日本最大級の起業支援ポータルサイト経済産業省後援DREAM GATEにて3年連続相談件数日本一。最優秀賞他8部門で受賞。起業の最前線、現場での支援経験に基づく独自の起業・独立ノウハウに定評がある。

All About「起業・会社設立のノウハウ」(オールアバウト社)にて公式記事執筆を担当。その他、TV、雑誌、新聞等の各種メディアにて起業に関する解説実績多数。著書・監修書は「一日も早く起業したい人が『やっておくべきこと・知っておくべきこと』」(明日香出版社)、「オールカラー個人事業の始め方」(西東社)、「オールカラー 一番わかる会社設立と運営のしかた」(西東社)など多数。

専門分野はビジネスプランのブラッシュアップ、事業計画書作成指導、創業融資、助成金・ 補助金の獲得支援、税務会計、人事労務、会社設立、許認可サポートなど。その他にもオフィス・店舗物件探し、ブランディング、マーケティング、メディア戦略、出版戦略、集客・販促などのアドバイス、人脈の紹介まで行う。