起業支援サイト「ドリームゲート」で累計面談相談数全国1位の中野裕哲氏。会社の作り方がわかる一冊「一番わかる会社設立と運営のしかた」(西東社)でもお馴染みの税理士が資金調達について伝授。

第4回 事務所の選び方

第4回 事務所の選び方

事業を始めるとき、最初に悩むポイントは「事務所をどこに置くか」ということです。業種によっては、とりあえず自宅で始めるという方法もありますが、それだと、いろいろと制約も多いもの。それ以外では、普通に賃貸オフィスを借りるか、または起業家向けのレンタルオフィスを借りるか、大きくこの2つの選択になるかと思います。

そこで、それぞれのメリットとデメリットを見てみましょう。

賃貸オフィス、レンタルオフィスのメリット・デメリット

  賃貸オフィス レンタルオフィス
メリット ■訪問者の多いビジネスでは、理想的
■自由なレイアウトが可能
■十分な広さが確保できる
■許認可が必要な業種では、事務所として認められやすい
■敷金・礼金・家賃などの入居時の費用を安く抑えられる
■内装などが比較的にキレイなことが多い
■あらかじめ机・いすなどがあり、初期投資の費用が抑えられる
■立地が、比較的に魅力的なエリアにある場合が多い
デメリット ■敷金・礼金・家賃などの入居時の費用が大きくなる場合が多い
■机・いすなどの備品などの初期投資の費用が必要になる。
■広さに制約がある場合がある(在庫やものを置く場合、社員数が多い場合など)
■許認可が必要な業種の場合、認められない可能性がある(ケースバイケース)
■社会保険、雇用保険などに加入できない可能性がある(ケースバイケース)
■法人の場合、銀行口座を開設できない可能性がある(ケースバイケース)
■来客用の応接スペースは、予約制の場合が多く利用に制限がある

あくまで一般論であり、あなたの検討されている事務所が、この一般的なメリット・デメリットに必ずしも当てはまるとは限りません。
例えば、賃貸オフィスであっても敷金・礼金なしの物件もあります。また、狭いスペースで可能な業種でしたら安い家賃の物件もあります。
一方、コストの安さが魅力のレンタルオフィスであっても、来客用の応接室や会議室を借りたり、その他のオプションサービスを付けたりすると賃貸オフィスと逆に割高になることもあります。

ですから、オフィスを選ぶときは、
・業種や利用方法、想定する客層などをよく検討して事務所の立地を決定する
・さらにスタッフの予定人数を考慮して事務所の広さを考える
・資金計画を検討し、捻出できる資金と得られるリターンのバランスを考慮する
・許認可、社会保険、雇用保険、銀行口座開設などの確認をする
・そして、賃貸オフィスにするかレンタルオフィスにするかを決める

というステップを踏む必要があります。

これらの不安を解決するには、事務所探しに入る前に、あらかじめ専門家相談しておくことをお勧めします。私も起業家からの相談で、必ず聞かれることでもあります。

賃貸オフィスにするかレンタルオフィスにするかが決まったら、いよいよ具体的なオフィス探しに入ります。

賃貸オフィス探しでは大事なことが2つあります。
「起業支援に精通した良い不動産会社に依頼すること」と「タイミング」です。

そもそも「起業支援に精通した良い不動産会社」とは、どのような不動産会社でしょうか。良い不動産会社はじっくりとあなたの話を聞きます。「あなたが、どんな事業をするのか」「客層は誰か」「そのために理想的な立地はどんな物件か」」などをじっくりと聞き、「思い」を共有します。起業家と共通認識を持つことで、あなたの期待するオフィスを紹介できるのです。

そのうえで、「スピードを持って情報提供をすること」、「オーナーさんへの家賃費引き下げ交渉をする」など、起業家側に立った迅速かつ情熱的な動きができるかどうかです。
単に「何でもいいから決めてもらって早く手数料を得よう」という態度ではないか、依頼するときには見極めたいものです。起業家にとって物件選びは大切なのです。

第4回 事務所の選び方

次に、タイミングです。ご存知のように、不動産は1つとして同じものはありません。
立地・広さ・価格などから、あなたにとって理想的なオフィスを取得するためには、そのような物件が、まず、空室でなければなりません。

そして、その空室に対して誰よりも早く、入居希望申込をしなければなりません。
さらには、事業を開始するのに創業融資を受ける場合が多いと思いますが、この場合には融資内諾を得ることの「タイミング」が重要ですよね。つまりは、融資が決定しなければ、事業開始ができないわけですから、事務所を借りる必要もなくなってしまいます。一方、金融機関が融資を決定するには、具体的に借りる予定の事務所が決まっている必要があります。つまりは「事務所探し」と「融資の申込」は、表裏一体。同時並行的にできるのが理想です。

この両者の関係に悩む起業家は多いものです。そこで、弊所グループではこの起業家の悩みを解決するために、起業支援に精通した不動産会社と連携しつつ、創業融資支援を同時に進めることができる体制を構築しています。無料相談を随時受け付けていますので、いつでもご利用ください。

また、最近では、レンタルオフィスに似たコワーキングスペースも注目されています。コワーキング(co-working)は共同、共通、相互、同等の意となります。
レンタルオフィスは、一つの場所を小分けに区切って個人事業主やクリエイターに貸し出すサービスに対し、コワーキングスペースは、その空間を区切らず、大きな机を置き、皆で輪になって、それぞれの仕事をすることが多く、コワーキングの方がより「コラボレーション」を意識しているサービスだと言えます。2015年度には、国からもコワーキング事業を名指しで指定し、最大1000万円の返済不要の補助金を提供する施策も始まるようです。

引用元:コワーキング立ち上げ支援サービス「フォレストルーム」

中野 裕哲(なかの ひろあき)

起業コンサルタント(R)、税理士、特定社会保険労務士、行政書士、
ファイナンシャルプランナー(CFP(R)、一級ファイナンシャルプランニング技能士)。
起業コンサルV-Spiritsグループ代表(税理士法人・社会保険労務士法人・行政書士法人・司法書士事務所・株式会社V-Spirits/V-Spirits会計コンシェル・給与コンシェル・FPマネーコンシェル株式会社)。

起業家支援をライフワークとし、起業準備から起業後の経営に至るまで、窓口ひとつでまるごと支援する「まるごと起業支援ドットコム」を主催。
「起業支援を通して、この国を挑戦者であふれる国にしたい!日本を元気にしたい!」という理念のもと、年間約300件の起業相談を無料で受け、多くの起業家を世に送り出している。
日本最大級の起業支援ポータルサイト経済産業省後援DREAM GATEにて3年連続相談件数日本一。最優秀賞他8部門で受賞。起業の最前線、現場での支援経験に基づく独自の起業・独立ノウハウに定評がある。

All About「起業・会社設立のノウハウ」(オールアバウト社)にて公式記事執筆を担当。その他、TV、雑誌、新聞等の各種メディアにて起業に関する解説実績多数。著書・監修書は「一日も早く起業したい人が『やっておくべきこと・知っておくべきこと』」(明日香出版社)、「オールカラー個人事業の始め方」(西東社)、「オールカラー 一番わかる会社設立と運営のしかた」(西東社)など多数。

専門分野はビジネスプランのブラッシュアップ、事業計画書作成指導、創業融資、助成金・ 補助金の獲得支援、税務会計、人事労務、会社設立、許認可サポートなど。その他にもオフィス・店舗物件探し、ブランディング、マーケティング、メディア戦略、出版戦略、集客・販促などのアドバイス、人脈の紹介まで行う。