ストレス発散は天文台で!? オトナの『国立天文台・三鷹キャンパス』見学

宇宙探査機、流星群、3Dプラネタリウムに日食・月食などなど。
気がついたら、身近に“宇宙”に関する情報が多くなった気がします。

特に昨年から今年までを振り返ると、日本の陸地では46年ぶりとなった「皆既日食」や、小惑星探査機「はやぶさ」のドラマティックな地球帰還のニュースがありましたね。マスメディアだけでなくソーシャルメディアでも盛り上がった話題だったため、より身近に感じたのかもしれません。

していたBB-WAVE編集部。
そこで注目したのが、広がる自然の中に天文施設が点在する『国立天文台・三鷹キャンパス』です。

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研究施設ということもあって設備や警備で敷居が高そうな気がしますが、この正門を一歩入ってみると、そこはゆったりと時間が流れる“静謐な森”のようです。
豊かな自然の中でゆっくり過ごしつつ、歴史ある建物や貴重な観測施設を見学して、宇宙への想いを馳せる・・・。なんて、ちょっと贅沢なオトナの時間の使い方ですね。

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折しも取材時期は紅葉の終わりごろ。冬仕度を始めつつある木々を眺めながら散策していると、このような古めかしい建物が現れます。
これは「第一赤道儀室」といって、1921年に建設された三鷹キャンパス最古の建物。国登録有形文化財です。

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中にはカール・ツァイス社製の口径20cm屈折望遠鏡があります。おー、けっこう大きいんですね。
今は観測には使われていませんが、以前は太陽の黒点の観測に使用していたそうです。

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通称「アインシュタイン塔」と呼ばれるこの建物、正式には「太陽塔望遠鏡」といいます。
ん? 建物の名称なのに“望遠鏡”ですって?
実は、塔全体が望遠鏡の筒の役割をしているんだとか。
1930年に建設されたスクラッチタイル装飾の建築様式は、昭和初期の流行だそうです。
こちらも国登録有形文化財。

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これは面白いですね!
「太陽系ウォーキング」といって、太陽系の距離を140億分の1に縮めて小道に展示。
手前のボードの丸い部分が太陽(太陽や惑星のサイズは14億分の1)で、ここから奥に向かって歩くと、水星・金星・地球ときて土星までの模型が、その距離感で展示されてます。
写真では火星までがギリギリ写ってますが、木星から向こうは見えません。太陽系の広大なこと!

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ちなみに、これは木星の模型。ソフトボールくらいのサイズです。
実際に足を運んでみて、その他の惑星の大きさなども見てみてください。
そんなに! というほど大きさが違って勉強になります。地球は・・・豆粒大ほどでした。

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キャンパスの奥には、歴史的な観測機器が保管されている「天文機器資料館」や「子午儀資料館」、「ゴーチェ子午環」に「旧図書館」などの建物が点在しており、あらためて三鷹キャンパスの広さを実感。
こうした自然豊かな森の中で、古く歴史のある建物が点在している様子を眺め歩くだけでも、ずいぶん気分がリラックスしてきます。

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そしてここは「天文台歴史館(大赤道儀室)」。
高さ19.5m、ドームの直径が15mと、かなり大きな建物です。1926年建設の国登録有形文化財。
建設当時、こうした半球のドームを作る技術が建築業者にはなかったため、船底を作る技術を持った造船技師の助けを借りて作られたそうです。へー、面白いですね!

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天文台歴史館の二階には、屈折望遠鏡としては国内最大、カール・ツァイス社製のレンズ口径65cm屈折望遠鏡があります。
これは相当大きいです。そのため、使用する時には望遠鏡を動かすのではなく、エレベーター式になっている床の方を動かして近づけていたそうです。

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ところで、人類で最初に望遠鏡を使って天体観測した人をご存じですか?

そう、ガリレオ・ガリレイです。
1609年に自作の望遠鏡で天体観測を行ったガリレオは、その生涯で100本もの望遠鏡を自作したと言われています。展示されているこの望遠鏡は、そんなガリレオが自作し天体観測したものを忠実に再現したレプリカ。
現在の観測技術も、こうした先人たちの遺した失敗や成功の上に成り立っているわけです。

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一階には写真パネルの展示などがあり、三鷹キャンパスの美しい四季折々の自然や、ハワイ島にある「すばる望遠鏡」で撮影された天体画像を見ることができます。
いやはや、ほんとうに美しい自然、そして宇宙空間です。

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さて、国立天文台の観測施設は国内外にいくつかあります。
本部である東京・三鷹キャンパスの他、岩手・水沢VLBA観測所、長野・野辺山観測所、岡山・天体物理観測所、沖縄・石垣島天文台、チリ・ALMA、そしてアメリカ・ハワイ観測所など。
チリのALMA以外は見学可能なので、各地に足を運んでみるのもいいかもしれませんね。

見学の帰り道、いつかはハワイのすばる望遠鏡が見てみたいと興奮気味に話していた編集部メンバー。
どうやら、仕事の疲れやストレスは見事に癒されたようです。
これなら読者の皆さんにもおすすめできますね!

今回の見学先 | 国立天文台・三鷹キャンパス

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一見“森”と見紛うほど自然が豊かな三鷹キャンパス。これから迎える冬には雪化粧、春にかけては梅に桜、夏は生い茂る木々に昆虫、秋は美しい紅葉と、構内を散策するだけでもリフレッシュできそう。
「ここでは、時間を気にせずにのんびりと散策を楽しんでほしいですね」とは広報担当の石川さん。天体や観測機器への興味を満たす一方で、この三鷹キャンパスの自然さえも、宇宙の中の一要素なんだなあ、などとロマンチックな気分になりました。
今回ご紹介した三鷹キャンパスの見学には、一部施設の常時公開と、年に一度の特別公開(三鷹・星と宇宙の日)があります。公開日時やコース、見学ルールなどは、予めホームページ等でご確認ください。(国内外のその他の施設見学も、事前に詳細をご確認ください。)
そして、いつかは、ハワイ島で星空を眺めたい・・・。

国立天文台の情報はこちら
http://www.nao.ac.jp/

三鷹キャンパス・一般見学についてはこちら
http://www.nao.ac.jp/access/mitaka/public.html

※今回の見学や写真撮影は、取材のために特別な許可をいただいています。
※一般見学の詳細や注意事項等、詳しくは上記ウェブサイトでご確認ください。