地下に眠る“パルテノン神殿”の正体とは?! オトナの『首都圏外郭放水路』見学

東京の近郊に“地下神殿”があるらしい――。
数年前からそんな話を耳にすることが度々あったのですが、それがどんなものなのか、実はよく知らなかったのです。地下神殿だけに遺跡が発掘されたの? それともテーマパーク的なものができたとか? まさか国家の秘密施設とかじゃないよね? あ、もしかして都市伝説とか・・・。

試しに“地下神殿”でググってみると、検索結果ページには「外郭放水路」なる言葉が上位に。
・・・地下の貯水池みたいなものでしょうか?

というわけで、百聞は一見に如かず。今回のオトナの社会科見学は『首都圏外郭放水路』です。

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はい、いきなり地下神殿です。まるでパルテノン神殿のようですね(行ったことはないですが)。 正しくは『調圧水槽』といい、ここに増水した川の水を溜めることができます。BB-WAVE編集部が訪れた時は梅雨の真っただ中ということもあり、地下神殿の湿度は100%に近く、霞がかかっていました。写真もモヤってますね。

『地下神殿』の通称で親しまれるこの施設は、年間を通して頻繁に見学会を実施しています。地域の方々をはじめ、お子さんと見学に来る遠方の方や、研修の一環として来る会社員の方など、実に人気の見学会のようです。やはり、巨大な建造物は、人の心を虜にするのでしょうか・・・。

その巨大っぷりはと言うと、長さ約177m、幅約78mと、サッカーグラウンドより一回り大きい広さといったところ。そして高さは約18m。あ、7/24から静岡市で公開されているガンダムと同じ高さなんだ!

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ちなみに、この調圧水槽の真上には、まさにサッカーグラウンドがあったりします。

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さて、あまりに巨大な地下神殿の中で、上を見上げて固まっている編集部メンバー。

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上から見下ろすとこんな感じ。18mって高いですね。でもガンダムの目線というだけでなぜか興奮しました。

「巨大と言えば、あちらの立坑(たてこう)も見てください。スペースシャトルや自由の女神がすっぽり入る大きさなんですよ。」そう説明してくださった首都圏外郭放水路管理支所長の荒木さんについて行くと、これまた巨大な空洞があるではないですか。

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ここがスペースシャトルが入ってしまうという、とても大きな空洞です。ちょっとわかりにくいでしょうか。
「これは第1立坑と言って、直径はおよそ30m、深さ70mほどあります。」
なんか好きです。何か出てきそうなこの雰囲気。もっと近寄ってもいいですか?

しかし、これ以上は危険とのことで断念・・・。名残惜しい気持ちのまま、とぼとぼと荒木さんについて行くと、いったん外に出てしまいました。

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すると、また別の扉を開けようとしています。
ん? 第1立坑?

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こ、これは、先ほどの第1立坑ではないですか! なんとも粋な計らいで、今回は特別に上から見下ろせる場所を見学させていただきました。
直径約30m、深さ約70mの空洞を見下ろすことも、なかなかない経験です。左側の折り返し階段(梯子じゃないですよ)が小さく感じられます。とはいえ、実際に現場で見ても、立坑の下に人がいないと、どれだけ大きいのかよくわからないくらい大きいのです。今回は残念ながら、そうした写真は撮れませんでした。

さて、この首都圏外郭放水路は、世界でも最大級の地下放水路。全長約6.3kmの“地下の川”と呼ばれるトンネルが通っており、その地域に流れている大落古利根川や中川など合計5つの中小河川の洪水を“地下の川”から取り込む巨大な仕組みで、最終的には江戸川に排水します。

地盤が低いうえに河川が多く、たびたび起こる洪水に長年悩まされてきたこの地域。その治水対策として首都圏外郭放水路が果たす役割はとても重要です。そしてその操作は、すべてここで行われています!

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なんともかっこいいコントロール室!

どこかで見たことがあるなあという読者の方もいるかもしれませんね。というのは、ドラマなどの撮影によく使われるからです! 子供が大好きなあんな番組とか! もちろん出演者のサインや資料なども展示されています。

そして最後に、このエンジンをご紹介しましょう。

これは、調圧水槽に溜まった水を江戸川へ排水するポンプのエンジンです。合計4台ありますが、これ1台の排水能力は最大で1秒間に200?を排水できます。200?とは、だいたい25mプール一杯分!

すごいパワーですね・・・。しかしこのエンジン、見覚えがあるという読者の方はいらっしゃるでしょうか?

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実はこれ、小型ジェット機B737のエンジンをベースにしているのです。

そう、オトナの「ANA機体工場」見学の前編後編でご紹介しているアレです。気づいたあなたはすばらしい記憶をお持ちのBB-WAVEマスターですね!

今回の見学先 | 首都圏外郭放水路

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遺跡でも、テーマパークでも、国家の秘密施設でもなく、もちろん都市伝説でもなかった"地下神殿"。機会があれば、ぜひ皆さんにもこの大きさを体感していただきたいなと思いました。しかしそれ以上に、江戸時代まで遡ったこの流域の治水の歴史や、江戸川とともに"地下神殿"が果たしている治水の役割の大きさを知ることができ、非常に勉強になりました。まさに"オトナの社会科見学"です。

見学会や施設の詳細はこちら
http://www.ktr.mlit.go.jp/edogawa/gaikaku/index.html

アクセスマップ
http://www.ktr.mlit.go.jp/edogawa/gaikaku/ryuqkan/access.html

キッズページもあります
http://www.ktr.mlit.go.jp/edogawa/gaikaku/kids/index.html

※今回の見学や写真撮影は、取材のために特別な許可をいただいています。
※一般見学に関する予約方法や注意事項等、詳しくは上記ウェブサイトでご確認ください。