ファッション・ヘアケア・インタビュー

できる男の「おしゃれ術」

スタイリスト高野いせこのビジネスファッション・ゼミ ― 実践編 ―

高野いせこ氏 ビジネスのさまざまなシチュエーションやオフシーンに応じた着こなしについて、
プロの目線から実践的にアドバイス。
今回は出張の際に役立つ服装術を教わります。 高野いせこ氏プロフィール

Vol.4 出張編 2

質問:1週間の長期出張。荷物を最小限に抑える洋服の選び方は?

回答:スーツとジャケット、パンツをプラスして着回しを

1週間以上の長期出張ともなれば、スーツも1着というわけにはいきません。また、場合によっては週末の懇親会や関係者宅への訪問など、多少くだけた場にも出席する可能性があり、ややカジュアルな装いの用意も必要になってくるでしょう。スーツ、ジャケット、パンツをそれぞれ1着ずつ持っていくのが基本です。

まずスーツは、着ていくものとは違った色目や柄のものを選びます。紺の無地はどちらかで押さえるとして、もう一方はグレーとかピンストライプに。ジャケットは型崩れしにくいブレザータイプがおすすめです。最近ではメンズでもシワになりにくいストレッチ素材のものが出ていますから、1着持っておくと便利。パンツはジャケットに合わせて選び、シワの目立つ素材は避けましょう。

一方、ホテル滞在が長くなるので、シャツはクリーニングに出すことができます。順繰りにクリーニングに出して着れば、3〜4枚でOK。白を基本に色柄ものをプラスします。そのうち1〜2枚はノータイでも使えるものを用意。持っていくジャケットに合わせやすい色目のチェックやストライプ、ボタンダウンなどを選ぶといいでしょう。衿腰の高いタイプを選べば、ちょっとしたパーティーにも通用します。ネクタイは持っていくシャツとの組み合わせを考えて、3本程度選びます。

荷物に余裕があれば、カジュアルな装いに合わせるための靴も持参します。履いていく靴が黒なら、こちらは茶系のローファーやモンクストラップなどを。革底だと重いので、軽量のラバーソールで十分です。また、靴に合わせて茶系のベルトも用意するといいでしょう。

スーツやジャケットはガーメントバッグに入れて運ぶのがベスト。キャリーケースの中にハンガーが付いていれば、これも活用できます。上着をかける際は、シワにならないよう、ボタンをはずした状態に。1着しかかからなくてジャケットをたたまなければならない場合は、シワになりにくいたたみ方があるので、参考にしてみてください。

シワになりにくい上着のたたみ方
シワになりにくい上着のたたみ方 1
1.上着の両肩を持ち、前身頃が外側になるよう縦に2つ折りにする。
シワになりにくい上着のたたみ方 2
2.衿を合わせ、片方の肩内側に手を入れ、中からもう一方の生地をつまむ。
シワになりにくい上着のたたみ方 3
3.手を入れた方の衿部分を外側に裏返して、全体を包む。
シワになりにくい上着のたたみ方 4
4.形を整え、横に2つ折りにする。
 

質問:出張先で洋服がシワだらけに。どうすればいい?

回答:ホテルのサービスを最大限に利用。感謝の一言を忘れずに!

長時間の移動がある出張では、どうしても洋服にシワがつきやすくなります。でも、いくら出張先とはいえ、大事な商談にシワのついたヨレヨレの洋服で臨むのでは、ビジネスマン失格! 最近では、シティホテルはもちろん、たいていのビジネスホテルで、アイロンやズボンプレッサーを常備しています。部屋になくても、フロントに頼めば無料で貸し出してくれる場合が多いので、面倒がらずにまずは確認を。また、クリーニングサービスを行っているホテルでは、プレスだけ頼める場合もあるので、あまりシワがひどいようなら聞いてみる価値はあるでしょう。

アイロンやズボンプレッサーを使えば完璧ですが、ない場合は応急処置としてバスルームの蒸気を利用する方法があります。シワのついたスーツは上下別々にハンガーにかけ、シャワーでお湯を出して蒸気を充満させたバスルームに、しばらく吊るしておきます。そうすると蒸気がスチームアイロンの役目を果たし、シワを伸ばしてくれるのです。これは部屋の乾燥を防ぐことにもなり、一石二鳥です。

シワを防ぐためにも、着てきた洋服は脱いですぐにハンガーにかけることが大切。持ってきた洋服も窮屈なケースに入れっ放しにしないで、ホテルに着いたら出してハンガーにかけ直します。また、シワ以外にも、濃い色のスーツでは特にゴミやフケが目立ちやすいもの。洋服ブラシがあればそれを利用し、なければフロントに頼んでガムテープを借りて、粘着面で叩くようにすると簡単に取れます。

洋服にシミが付いた場合は程度にもよりますが、下手に水に濡らしたりしないで、ホテルのフロントにシミ抜きのサービスがないか尋ねてみましょう。サービスはなくても、便利な道具を貸し出してくれる場合があります。このように、ホテルのサービスは上手に利用したいもの。ただし、道具を貸してもらったり、何かやってもらった場合は、必ず「ありがとう」の一言を。ホテル側はもちろんサービスとしてやっているわけですが、「当たり前」といった横柄な態度だと、やる側も気持ちが沈みます。その一言があるだけであなたへの好感度が上がり、その後の待遇が違ってくるかも!?

  • 講師:高野いせこ
  • 取材・構成:塩田真美
  • 撮影:末松正義
Profile高野いせこ(たかの・いせこ)
高野いせこ フェリス女学院大学文学部国文学科を卒業後、フリーランスのスタイリストに師事。 その後独立し、関根勤、中村勘三郎など男性タレントのファッションコーディネートを中心に、 CM、テレビ番組、ファッション誌の企画からコーディネ−トまで幅広く活躍中。 タレントのコーディネートでは本人のイメ−ジアップの為、プライべ−トに至るまでのトータルコーディネートを心がけているそう。 また、最近では企業のビジネスマンや女性企業家等を対象にした講演の活動も多く、 個人の印象を服飾で演出する日本初のビジュアル・アイデンティティー(VI)・プランナーの仕事に意欲を持って取り組んでいる。