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ファッション・ヘアケア・インタビュー

できる男の「おしゃれ術」

できる男の OFF⇒ON Vol.8〜ふじいあきら氏〜

プロフィール
ふじいあきら氏

仕事の前後に、それぞれのONを実感

仕事の面でいうと、出番の前に控え室で準備を整えて、本番用の衣装に着替えた時に、「さぁ、いくぞ」というSWITCHが入るのは感じますね。衣装といっても、そんなたいしたものではないんですけど、一応上着だけは替えるようにしているんです(笑)。そして、いよいよ登場するという時に自分のテーマ曲を流すんですけど、それが聞こえてくると、さらに気合が入ります。ボクは毎回、「今日はこうしよう」という、自分なりの課題みたいなものを設けてステージに立つので、それがうまくこなせるか、一回一回が勝負みたいな感じなんです。一方、無事に仕事をこなして片付けを全部終えた時にも、違った意味でONのSWITCHが入ります。その後は自分の自由な時間ですから、「さぁ、この後の時間をどう使おう」と気持ちがワクワクしてくるんです。たとえば、その後友人と会う約束があれば、「どこに行こう」とか「何を話そう」とか・・・いろいろ考えを巡らすのが楽しいんですよね。

ボクはマジシャンになる前に、サラリーマン生活を送った経験があります。コンピューター関係の専門学校を卒業して上京し、ある会社にプログラマとして就職。入社2年目くらいから、もともと好きだったマジックの勉強を始めて、周囲の人に見せたりしていたんです。ところが1年もたつと、周りの人たちはさんざん見せられて飽きちゃったんでしょうね(笑)。全然見てくれなくなったので、今度は会社帰りにマジックバーに出入りして、店内でマジックを披露するようになったんです。そこそこ評判もよくて、最初のうちはよかったんですけど、だんだん生活が不規則になっていったんですよね。店ではマジックだけじゃなくて皿洗いとかの雑用もやっていましたから、下手すると終わるのが明け方の3時、4時。当然、翌朝7時になんて起きられないし、昼間っからマジックのことばかり考えて、もう会社どころじゃないんです(笑)。ズルズル遅刻するようになって、結局、会社を辞めざるを得なくなりました。あの頃は昼と夜の気持ちの切り替えが全然できずに、グズグズ状態(笑)。そもそも切り替えができていれば、周囲にも迷惑をかけなかっただろうし、辞めることもなかったでしょうね。当時の会社の人たちには、ホント申し訳ないことをしたと思っています(笑)。


ふじいあきら氏

完全OFFの生活を1年間経験

今は忙しいし、日頃から何を見てもついついマジックのネタにならないか、考えてしまう癖がついているので、なかなか気持ちが完全にOFFになることはありません。しいていえば、ペットの猫と遊んでいる時くらいでしょうか(笑)。ただ、今でこそほとんどがONの状態ですが、実は2〜3年前に「毎日が完全にOFF」という生活を送った時期があるんです。会社を辞めた後、マジックの仕事もなかなか入らなくて、ヒマでヒマでしょうがない。毎日、夕方から起きて飲み歩いたりしてました。完全な「ダメ人間」ですよね(笑)。ひと月に5日も仕事があれば、「今月は働いたなぁ」という感じ。でも、焦ってもしょうがないから、「これはもう、とことんオフってみよう」と腹をくくったんです。結局、トータル1年間くらいですか。ボクは小さい頃から夏休みの宿題を最後までやらずに怒られるというタイプだったんですけど、さすがに「これじゃマズイな」と思うようになりました(笑)。

でも、そういう間も人と会うことだけは続けていました。金もないのに誘われるままにいろんな場に出かけていって、マジックを見せたりしながら、いろんな人と話をするんです。それが仕事につながるとかではなくて、とにかくたくさんの人に話を聞くことで、いろんな世界のことを知っておきたいと思ったんです。ジャンルは違っても、参考になることがたくさんあるんですよね。実際、プロのカメラマンの人たちから、「無形のものを仕事にする」ということの厳しさや苦労について聞けたことは、その後の仕事に対する考え方にとても役立ったと思っています。

そんな生活から抜け出したのは、徐々に知名度が上がり、テレビのレギュラー番組が決まったあたりでしょうか。それまでの人生、あまり全力を尽くすということをしてこなかったんですけど、毎週3〜4本の新ネタを披露しなくちゃならなくなって、さすがに「こうなったらもう、全力以上の力を出さなければダメだな」と実感しました。仕事へのSWITCHがようやく入ったという感じ(笑)。今思えば、あの長いOFFの時期が、自分にとっての準備期間だったんでしょうね。

  • 取材・構成:塩田真美
  • 撮影:石田健一

OFF→ON SWITCH

ふじいあきら氏がONのSWITCHが入ったのを感じるとき
  1. 出番の前に、控え室で衣装に着替えた時
  2. 舞台に登場する際、自分のテーマ曲が流れた時
  3. 仕事を終え、「さぁ、今からどうしよう」と考える時

Profileふじいあきら氏
ふじいあきら氏 '67年生まれ。小さい頃からマジックに興味を持って育つ。専門学校卒業後上京し、プログラマとして就職。やがてマジック熱が再燃して独学で練習を重ね、会社帰りにマジックバーでマジシャンとして活動する。'93年に退社後、コンテストに出場して日本一になり、レストランやクラブなどでマジックを披露する。その後、テレビに出演し、口からトランプを出すマジックで大ブレイク。テレビやライブで活躍中。